公益財団法人 新潟県保健衛生センター

時代を超えて新潟県の健康に貢献

新潟県で暮らす人や働く人、そして新潟県に生まれ、成長する子どもたち――私たちは新潟県民の健康を守り、福祉の向上を目指すため、それぞれの時代で求められる課題を解決しながら歩んできました。

結核と寄生虫感染の予防

公衆衛生活動の先駆的な存在として、死亡率の高い感染症として恐れられていた結核の予防に力を注ぐことが、私たちの最初の役割でした。昭和16年(1941)に財団法人結核予防会新潟県支部として設立されて以来、結核の予防と県民の体力の向上に取り組んできた私たちですが、そのルーツには、結核予防と看護師養成のために明治33年(1900)に創立された社団法人新潟縣衛生會の存在があったと考えられます。明治から昭和にかけ、私たちは結核予防に尽力してきたのです。

続いて、結核と並んで国民病といわれたのが寄生虫感染でした。昭和31年(1956)に財団法人新潟県寄生虫予防協会が創立され、予防の啓発や寄生虫卵検査、駆除指導のための活動をスタート。昭和45年(1970)に発展的解消により、財団法人新潟県公衆衛生検査センターが設立されました。

その後、医者の知事であった君健男新潟県知事が初代会長となり、財団法人結核予防会新潟県支部と、財団法人新潟県公衆衛生検査センターが統合され、昭和53年(1978)に財団法人新潟県保健衛生センターが誕生しました。

生活習慣病予防とがんの早期発見

昭和60年代頃から財団法人新潟県保健衛生センターは、医療の進歩や衛生状態の向上により疾病構造が変化した時代の要請に伴い、次の段階に歩み始めます。それは、食事・運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が原因で発症する、生活習慣病の予防です。平成元年(1989)に県立がんセンター病院の隣接地に成人病検診センターを建築し、施設型の検診を開設。以来、健康状態を確認して生活習慣病の予防につなげる健康診断と、検査項目が多くがんなどの病気の早期発見を目的とする人間ドックにより、健診への幅広い需要に応えてきました。

平成24年(2012)には公益財団法人の認可を受け、地域健診や学校保健などを主要事業として新潟県民の健康を守る取り組みを進めてきました。また、特定保健指導施設「メディアシップ健康げんき倶楽部」の開設、中越メジカルセンター・県央メジカルセンターなど検診拠点の拡充と合わせて、がんの早期発見を目標として最新の胸部・胃部X線デジタル検診車の整備も進め、広域的な健康づくりの基盤を築きました。

予防医療で健康を支える

私たちは現在、検査や健診などで病気を早期発見することに加え、生活習慣の改善を中心とした、健康増進や発病予防に重点を置いた対策を進めています。それが今、注目を集めている予防医療です。具体的には、健康診断や人間ドック後に健康相談や保健指導をマンツーマンで行い、一人ひとりに寄り添って病気にならない生活習慣を提案することです。また、アクティブシニアと呼ばれる年代の人たちに働きかけて、健康を維持する方法を身に付けてもらい、健康寿命の伸展を図ることです。

同時に、全国組織の結核予防会や予防医学事業中央会それぞれの新潟県支部として、全国の関連機関と連携を図りながら、今も日本における主要な感染症のひとつである結核の予防や予防医学思想の普及活動を行っていきます。
県民が生涯にわたって心身ともに快適な生活を送ることができるように努力し、事業を継続的、安定的に実施する役割を果たしていきたいと考えています。