公益財団法人 新潟県保健衛生センター

健康づくりを支援して予防医療を推進

人生100年を健やかに自分らしく生きるために、私たちは健康についての正しい情報や知識をより多くの県民に届け、病気を未然に防ぐ予防医療の重要性を発信していきたいと思っています。

すべての県民に向けた「健康づくり支援」

近年、予防医療という分野への注目度が高まっています。予防医療とは「病気にならないような体づくりをする」という考え方です。病気にかかってから治すのではなく、病気にかからないような生活習慣を身に付けて健康を維持することを目的としています。

その予防医療の観点から、生活習慣病やがんなどさまざまな病気について学んで自分の健康を守っていこうというテーマで、毎年2月にすべての県民に向けて「市民健康講座」を開催しています。検診によって病気を早期に発見することの重要性とともに、医療機関における最先端治療を紹介する2本立てで行われます。参加は自由で、座談会では来場者からの質問にも答え、新しい情報を身に付けることのできる貴重な機会となっています。

健康の基本である食事を実践的に学ぶ「健康料理講座」

平成25年(2013)に新潟日報メディアシップ内に開設した、特定保健指導施設「健康げんき倶楽部」では、予防医療という考え方を広く一般の方に伝えるための取り組みを行っています。看護師や保健師など医療のプロによる健康相談をはじめ、産業カウンセラーによるコミュニケーションやメンタルヘルスの講座、管理栄養士による料理講座などを通して、県民の健康づくりを広くサポートしています。また、医療や健康、料理関連の蔵書を約700冊揃え、図書館のように貸し出しを行っています。

プログラムのひとつ「健康料理講座」は、管理栄養士が提案するメニューを参加者が調理し、試食しながら、生活習慣病予防や健康増進について学ぶ講座です。昼休みに手軽に参加できるように調理工程を工夫し、45分間という限られた時間内で実践的に健康の知識を身につけられるようにしています。

健康診断やドックの後に個別相談を実施

健康づくりで大切なのは、健康診断や人間ドックの後の一人ひとりの行動です。そこで、私たちは健康チェックの結果を前向きに生かすためのフォローを行っています。

市町村が実施する特定健康診査や各健康保険組合に加入している方々の健診結果に基づき、生活習慣病の発症リスクが高いとされた人に対して、保健師や管理栄養士が生活習慣を見直すサポートをします。また、人間ドックでは、受診当日にメタボリックシンドロームに該当する方に面談し特定保健指導を行います。

この時に重要なのは、一人ひとりが異なる環境で、それぞれのライフサイクルの中で暮らしていることを理解した上で指導や支援をすることです。そこで、私たちは一律ではなく、個別の指導を貫いてきました。こうした健康相談や保健指導により、検査の結果を活かした生活や食習慣の改善ができれば、それは生活習慣病の予防効果を高めて、健康寿命の伸展にもつながるはずです。
超高齢社会を迎えた日本では、病気やケガの予防に加え、今、フレイル対策も喫緊の課題です。まず健康診断や予防接種を受けて健康的な体を維持し、次に病気を早期発見して適切な治療を受け、重篤化を防ぐ――私たちはこのふたつの領域で事業を行い、県民の健康づくりに寄り添うパートナーとして、今後も真摯に歩んでいきたいと思います。