公益財団法人 新潟県保健衛生センター

巡回健診で地域の健康を支える

面積が広く、山間地や離島もある新潟県で、県民がどこに住んでいても平等に健診を受けられるように、私たちは地域に検診車を走らせ、医師や技師、看護師を派遣して、各市町村の委託を受けた住民健診やがん検診を行っています。

中越・県央で生活習慣病予防の巡回健診を実施

長岡市、小千谷市、見附市、三条市、田上町、弥彦村などの中越・県央地域を対象に、それぞれの地域に赴き、市町村から委託された国民健康保険の特定健康診査を行っています。特定健康診査とは、40才から74才を対象にメタボリックシンドロームに着目して生活習慣病のリスクの有無を検査し、リスクがある人に生活習慣を改善するための保健指導を受けてもらうことを目的とした法定の健診です。

現在の私たちの使命は「健診が必要な人の近くへ行き、すべての人が受けられる健診を提供すること」です。健診施設や公共交通が整っていない地域では、自治体と協力しながら一つの町村の中でも1日のうちに何カ所か移動してより多くの受診機会を作り、すべての県民が平等に健診を受けられる体制の構築を目指しています。

X線検診車を走らせ、県内各地でがん検診を実施

県内全域(上越及び魚沼地域を除く)の市町村からの依頼に基づき、保有している20台以上の検診車を走らせて、肺がん・胃がん・大腸がん・乳がん・子宮がんなど各種がん検診を行っています。子宮がんや乳がん検診の施設が少ない佐渡市へは検診車をフェリーに載せて運び、毎年、約15日間程度をかけて島内を巡回しながらがん検診を実施しています。

病院や健診施設へ移動する負担や時間が軽減できるため、出張検診は受診率の向上に一役買っています。県内19市町村で胸部X線検査を、7市町村で胃部X線検査を、そして、15市町村で乳がんX線検査(マンモグラフィ)を実施し、がんの早期発見に寄与しています。

また、私たちは公益財団法人結核予防会の新潟県支部としての役割を担っているので、65歳以上の住民には結核健診として、40歳以上には肺がん検診として胸部X線検査を行い、年間で約10万人以上の健診を実施しています。

市町村や医師会と協力し、地域の健康を守る

私たちは、県内唯一の公益財団法人認定を受けた健診機関として、地元医師会や市町村と連携しながら、健診・検査業務の精度の向上を図っています。併せて、その結果を各自治体と共有し、疾病の早期発見や予防活動に活かして地域保健活動の充実を目指しています。

肺がん検診においては、県立がんセンター新潟病院、新潟大学などの協力を得て症例を検討する肺がん検診専門委員会を年4回開催し、地域における検診精度の向上に努めています。また、県内で胸部疾患に関わる医師を対象にした読影医師研修会などを開催し、医師の読影技術の向上にも貢献しています。