公益財団法人 新潟県保健衛生センター

働く検診車(1)車いす対応の胸部X線検診車

働く検診車

公財)新潟県保健衛生センターでは、約20台を超える大型・中型の検診車があります。
検診車を一言で説明すると“大型バスや中型トラックに医療機器を搭載し外装した特殊車両”ですが、車内には細部に渡り様々な工夫がされています。
このコラムでは、当財団の検診車“はたらく車”たちをご紹介していきます。
第1回目は、令和4年11月25日に新しく納車された『車いす対応胸部X線検診車』をご紹介します。

車いすの方でも安心!リフト機能付き胸部レントゲン車

新たに納車された胸部X線検診車は他にはない大きな特徴があります。それは、リフト機能付きということです。(以前からリフト機能付き胸部X検診車はありましたが、古くなったため、新しい車を作りました。)リフトとは、簡易なエレベータのようなもので、人や荷物を載せて水平に移動させる装置です。この装置が、車両の後ろについています。リフトがあることにより階段を上り下りする必要がないため、階段歩行が難しい方や車いすを使用されている方にも安心して胸部レントゲン検診をしていただける仕様になっています。

車いすのニーズが増えています

車いすの方の中には病院等の医療施設で胸部レントゲンを撮る際に、病院への移動時間や待ち時間がかかる、介助者を依頼しなければならないなどといった様々な理由により、年に1回の検診を躊躇してしまう方もいられるそうです。しかし、リフト付胸部レントゲン検診車がご自身の入所・来所している介護施設や、通学している学校へ来てもらえることで、日常の生活の中の一部として胸部レントゲン検診が受診できると大変喜んでいただいています。
当財団では、介護施設などのほかに市町村主体で実施する住民検診へも、車いす利用者の方が来られる日にリフト付検診車で配車してほしいなどの要望を受けることがあり、可能 な限りご要望に応えられるよう努めております。

車の中も工夫がたくさん!!

リフト機能の他に、受診者の方へ快適に受診していただけるように、車内には様々な工夫がされています。
従来は検診車の床に設置された昇降台が上下することで、撮影装置に高さを合わせて撮影をしていましたが、リフト付き検診車では撮影装置が受診者の高さに合わせて上下するので、撮影時に床から車いすが落ちる心配が無くなりました。

従事するスタッフからのメッセージ

がん検診に従事しているスタッフからのメッセージをお伝えします。

車いす利用者の方の中には、健常者の方より骨がもろい方もいられるので、検診の際には細心の注意を払っています。リフト機能付き検診車の利用でハード面ではリスクを下げることが可能になりますが、実際に検診を行うのは人ですので、私たちスタッフがホスピタリティを持って対応することで利用者の方へ安心・安全、快適な検診を受診していただけるよう頑張ってまいります。

がんの進行は待ってくれないので、年に1度は検診を受けていただきたいです。車いすであることでその機会が奪われることがないように、リフト機能付き検診車が広く利用されるといいです。今後も身体の障害の有り無しに関わらずがん検診を多くの方に受診していただけるよう、先ずはこれから受診していただく方に安心して受診していただき、また来年も検診を受けようという気持ちを持っていただけるよう、努めてまいります。

令和4年11月25日 秋の澄んだ空の下、役職員及び検診従事スタッフ、検診車運転スタッフ一同で、地元学校町の菅原神社さまより検診車のお祓いをしていただきました。

この記事を書いた人

総務係

SUMI