公益財団法人 新潟県保健衛生センター

帯状疱疹について

健康エッセイ

帯状疱疹ワクチン接種を行っております。

 当財団では、2023年10月より帯状疱疹ワクチン接種を開始しました。そこで、今回は、帯状疱疹についてご紹介いたします。

帯状疱疹とは

罹患率

50歳以上、特に70歳台で上昇し、80歳までに3人に1人が発症すると言われていますが、最近は50歳前の働き盛りの人にも増えてきています。また、1度かかっても、2度、3度となる人もいます。

症状

皮膚の神経に沿って発症するため、体の左右のどちらかに痛みやかゆみや違和感が出現し、やがて帯状に水ぶくれ(水疱)ができ、その数を増し、その後、かさぶたとなって、皮膚症状は治癒し、痛みも治まっていきます。しかし、皮膚症状が改善してからも痛みが持続することがあり、帯状疱疹後神経痛(PHNと言われており、2年以上続く人もいます。

 その他の合併症としては、発症部位に応じて、眼合併症(角膜炎、結膜炎、ぶどう膜炎などがみられ、視力低下や失明に至ることもある)、髄膜炎、脳血管炎、脳炎、顔面神経麻痺、尿閉、Ramsay Hunt症候群(めまい、耳鳴り、難聴を生じる)などがあります。

原因

水ぼうそうの原因と同じウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が原因で、このウイルスはほとんどの人の体内に潜んでおり、加齢や疲労、ストレスなどにより免疫力が低下すると発症します。

治療

発症から72時間が経過してしまうと、抗ウイルス薬は効かなくなってしまいますので、早期の発見が必要となります。症状が軽度~中等度の場合には抗ウイルス薬を内服し、症状が重いか免疫機能が低下している場合は入院をして、点滴による治療が必要になります。早期に帯状疱疹と気づかず、有効な治療ができないことが多いです。

予防

規則正しい生活や適度な日常からの運動は大事ですが、予防接種(ワクチン)を行うことが効果的です。

帯状疱疹ワクチン

これには、水痘生ワクチン(ビケン)と、抗原として遺伝子を組み換えて作られた糖タンパクとアジュバント(効果を高める作用を有する)から構成されたワクチン(シングリックス)の2種類があります。

ワクチンの対象者

ビケン 50歳以上
シングリックス 18歳以上

ビケンが接種できない人

 妊娠中の人、癌化学療法やステロイドなど免疫を抑える治療をしている人、免疫力が落ちていると考えられる人、水痘ワクチンアレルギーの人、カナマイシン・エリスロマイシンアレルギーの人

シングリックスが接種できない人

 他のワクチンと同様に発熱している人、重篤な急性疾患にかかっている人など
シングリックスは、抗癌剤やステロイドなどで治療中の人にも接種できる

ワクチンの効果

 ビケン 帯状疱疹の50歳台の人で、発生率をおよそ50%程度減少させるが、年齢と共に効果は低下し、予防効果は、311年で減弱。
シングリックス 予防効果はどの年代でも、90%以上で少なくとも9年経っても認められる。現在は、それ以降のデータはない。

ワクチン接種のスケジュール

 ビケン 1回のみ
 シングリックス 2ヶ月後に2回目の接種を行う(6カ月後まで可)

費用 

 ビケン およそ8,000円(税込み)
 シングリックス 1回およそ22,000円(税込み)、2回必要

公費助成状況

 20236月現在、全自治体の1割以上の自治体で導入されている
 今後も助成する自治体は増加すると予想される
 将来的には、定期接種になる可能性が考えられる

副反応

 ビケン
 ワクチン接種による疼痛、腫れ
 免疫低下者の場合 水ぼうそうを発症することがあります

 シングリックス
 注射部位の疼痛 80%、赤み、腫れ
 筋肉痛、疲労感、頭痛、発熱などがあるが、いずれも7日以内に改善

費用がかかるが、シングリックス接種がおすすめです!!

 

この記事を書いた人

統括医監(感染症科部長)

青木 信樹